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我慢大会(25)

23 名前: いまでは、笑い話 1999/07/01(木) 14:33
http://www.nmt.ne.jp/~kouichi/FK.html
僕の頭は半分はフケで出来ているのではないかと思われるぐらいにフケは出続けました。きっと、このフケが出るのが止まるのは、僕が死んで、棺桶の中だろうと勝手に想像していました。シャンプーしてシャンプーして、リンスしてリンスしてもフケは出るのです。けっして僕は不潔ではないのです。これは本当です。実に色々なシャンプーや薬めいたものを試しました。


僕の学生服は悲惨でした。黒い服の肩から背中にかけて、薄く雪が積もった状態になるのです。黒いセーターは、もっと悲惨でした。白い粉のフケや白いウロコ状のフケが大小おりまぜ、黒いセーターにこびりついて離れないのです。


五円玉ぐらいの大きさのフケが出ました。五円玉の穴の大きさではなく。正真証明、五円玉の大きさのフケなのです。フケは、頭の頭皮がはがれたものなのです。小さな毛の穴がポツポツとフケにはあいていました。どんなフケかと言うと、バンドエイドをよく観察すると小さな穴があいていますね。あれが正方形のウロコのように半透明になったと想像してくださるとよく分かるかと思います。


健康であればあるほど、フケは出ました。親心とは、まことにありがたいものです。「頭が乾燥して元気だからフケはでるのよ。」と、母は僕をなぐさめてくれました。「頭をよく使う人はフケがよくでるのよ。」ともなぐさめてくれました。


冬に なって大気が乾燥すると、特によくフケが出ました。新聞紙を大きく広げて、その上にフケを雪の様に降り積もらせました。新聞紙を折って中央に集めるとフケの小山(こやま)ができました。その圧倒的なフケの存在感に捨てるのがもったいないぐらいです。


冗談にですが、学生の頃に、ネスレのインスタントコーヒの大瓶の半分ぐらいまでフケを貯蔵したことがありました。ビンが一杯になると死んでしまう様な気がして、途中で恐くなってフケの貯蔵を断念しました。瓶の中にダニがわいたからかも知れません。家ダニの好物は人間のフケなのです。さしずめ僕はダニ君にとって格好の無限大の食料倉庫だったのかも知れません。


楽しい時も、悲しい時も、まさに僕の人生はフケとともにありました。土木工学科を卒業して色々とあって塾を始めました。僕のフケのうわさは塾生の間と言わず、生徒を経て学校まで広まってしまいました。塾経営にとって僕のフケは死活問題です。


前にもまして、ジンクピリチオン配合だのイオウ入りだのさまざまなシャンプーや薬をためしました。「僕のフケは、とっても清潔なフケなんだ!!」と、心の中で叫んでも、誰も聞いてくれません。「フケ=不潔」という印象は、かなり根強いものがあります。


あるとき電話を取ると、小さな女の子のいたずら電話です。たぶん小学生なのでしょう。小さな声で『フケ・フケ・フケ』と3回連続で僕の耳元でささやいてくれました。その直後、女の子数人の笑い声がどっとしました。いまでは、笑い話によくその話しをします。


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