あめぞうにも書いたけど。(11)
- 5 名前: 名無しさん 1999/07/30(金) 06:29
- やよいさんは正式には弥生廟といいます。
どこにあるかというと「北の丸公園」に本当にあります。
私もほんとうにあるのを見たとき、驚きました。警察では年に1回例祭をしています。
その時の鉛筆とかもらった記憶があるのですが、
何故か実在の場所とか思わなかったんですね。
警察の殉職者を祀っているのですが、実は旧軍から引き継いだ(?)
靖国神社に入れない方の魂も眠っておられます。
入れない方...それは自殺者・変死者・病死者です。
英霊ではない(つまり国を守って死ななかった)から。
何かひどい話です。暴力的ないじめによる自殺の話。それがこの話の骨子です。
ある男が徴兵されました。彼はねっから不器用な男で、おまけに厭戦傾向がありました。
いじめの標的になったそうです。
言葉のいびりで済んでいるうちはまだよかったのですが、
軍隊式のしごきで、いつも怪我が絶えない身体になりました。
特に銃剣の訓練というか、やみくもに大声をあげて敵兵に見立てた的をめったざしにする。
というような野蛮なことがなかなかできなかった彼は、銃剣の訓練の的にされる。
銃の台尻でなぐられるなど、日常茶飯事だったということです。
いよいよ戦地に送られるというとき、男は決心しました。
逃げる。
脱走兵が当時どのような扱いを受けたのか私は寡聞にして知りません。
ただ発見されなくとも残された家族はひどい扱いを受けたようです。
でも男は逃げました。彼岸への逃走、死を選んだのです。
男は臆病でしたから、苦しむのはいやでした。
彼の脳裏にうかんだのは、いつかいじめで「鼠退治」と称し、天井裏に昇らされ、
一晩中降りてくるのを許されなかったときの事です。
..天井裏には「ねこいらず」が、あった。
彼は皆が寝静まった後、天井裏に昇り、ねこいらずを大量に飲み、世を去ったのです。
天井裏の男は静かに腐敗していきました。
人型の染みが大きく広がり、雨漏りのように腐敗した人の体液が下に落ちてくる
までの間、歩哨にたつと、変な影が見えるとか、便所の窓に青白い顔が見えたとか、
噂は立ちましたが、どれも男のうらみをはらすことはできなかったようです。
結局男は軍隊内の誰にも自分の怨みをはらすことができず、
天井裏で腐った豆腐のようになって発見されました。
事故..だから..弥生廟にいます。
男は怨みごとを、やさしい時代のやさしい我々にささやきにきます。
今晩の天井の染みをご覧ください。