初代2ch保管庫に戻る

パーフェクト・ベビーに関する論点の誤りへ警鐘(22)

1 名前: 中央大学3年生 1999/08/09(月) 00:43
 パーフェクト・ベビーについては、自然形態の親子・家族関係ではないという事で反対される方が多いと思う。しかし私はそうした意見に反対であり、危険な風潮であると思う。そもそもそうした見方は、近代的な家族の観念に囚われた見方であり、社会学的には体制擁護の為の権力的な抑圧装置、つまりイデオローグとしての言葉でしかない。
 例えば我が国における近代的家族形態の無根拠性は、それが完全に明治以降の輸入品であり、それまでは日本の習慣・文化として極自然に公然と不倫のような事が行われていた事を見れば明白であるし、「子供」にしたって、生みの親と育ての親が違う等は日常茶飯事であった。彼らは、そもそも育てるというよりは勝手に育っていく存在だったのである。これらの背景を見ても、我が国における「家族」の堅個な形態は、そもそも偽政者の為に人工的に造られた権力的な抑圧装置であることに疑いの余地はない。実際明治期の偽政者達の中には、なぜ文化開花かということに触れて、意図的に家族形態を誘導する活動をしていた事実もある。
 こうした捏造された観念の色眼鏡を介さずにパーフェクト・ベビーを考えれば、優秀な子を欲しがる世俗の親の心情は本来非難されるべきものではなく、またそもそもマクロ的にそういう子供が増えていけば、現代社会が抱える自己増殖的な問題群も解決の途に向かうかもしれない事もわかる。心理学的には飛びぬけて高い知能を持つ人間というのは、概して日常的な雑多な犯罪に興味がなく、社会に対するエリートとしての使命感がある傾向が強いことも証明されており、思考力・構想力・分析力に長けている彼らが、現代社会の複雑な問題の解決の一助となってくれるのは間違いないと思う。
 とにかく、妨げとなるのは、こうして生まれてきた子供達に嫉妬して、強者に羨望する弱者が群れて強者を差別するように、パーフェクト・ベビーを毛嫌いしたがる人達の醜い感情と、彼らのデマゴークに誘導された社会の風潮だけであると思う。倫理倫理としか叫ばずに、可能性の地平につながる大いなる道を悉く塞ごうとしておられる方々の発言は、人まねの道徳観念を無自覚に布教する原理主義者のピエロと同じである。
重要なのは、何らかの形でこうした差別の構造が生じないように注意深く監視していく事であり、要するにこの問題の本質は医学にあるのではなく、実は政治問題にあるのである。
初代2ch保管庫に戻る